社会のあり様とオリンピック、ビジネスとオリンピック

社会のあり様とオリンピック、ビジネスとオリンピック

スポーツマーケティングセミナー「スポーツビジネススタジアム」2014/3/19(水)開催
【オリンピックへの期待 ~社会のあり様とオリンピック、ビジネスとオリンピック~ 】と題し「オリンピックの変遷とオリンピックの在り方」

スポーツビジネスとして

今の学生や一般の方は、スポーツビジネスに対する情熱はあるが、経営学を知らないのでその辺りをしっかり勉強してほしい。

過去のオリンピック

オリンピックには社会的影響力があり、主張をアピールする場としてオリンピックが使われた経緯があるとベルリン大会やミュンヘン大会、北京大会の事例をもとにお話頂き、1964年の東京大会は外貨獲得や日本の復興を世界に知らせる場であり、ロサンゼルス大会では、国が支援をしない新しいビジネスモデル(入場料・放映料・商品・スポンサーからの収入)の転換点であり、成功の要因としてボランティアの大量動員があったとお伝え頂きました。

2020年の東京オリンピック

最も多種多様なステークホルダーを抱えたメガスポーツイベントであるオリンピック。日本が2020年世界に何をアピールするかと同時にオリンピックに向かうプロセスが重要であり、大会終了後における施設などのハードをオリンピックレガシーとして何を残すかがポイントです。また今後益々高齢化が進み、成熟した上質な社会になるに従い、どのように国がフォローアップしていくかが課題であると語って頂きました。

スポーツ全般について

スポーツは社会になくてはならない(=公共財的要素が強い)もので、家族主義から個人主義になってきた社会において、スポーツを通してみんなで一緒に行う連帯感や繋がりを生み出すものとして期待されていて、そのスポーツをやる人が増えれば、底辺が拡がりスポーツのレベルが上がる、競技者を増やすと見る人が増えるというお話をして頂きました。

質疑応答

2020年東京オリンピックで日本は癒し・おもてなし・文化風土・生活が安定している姿を世界に見せる場であるとお答え頂き、スポーツで食べていくという意識が低い人が多いように感じるという質問には、まずは代理店やメディア・商社で力を付け(スポーツ業界の企業には人を育てるシステムや資金面的に余裕がないのが現状なので)、スポーツが好き過ぎるのはダメでスポーツをビジネスとして客観視できることが重要である、そして勿論ビジネスにしたらスポーツは観れないことを認識するべきとお伝え頂き、本音で核心を突く質疑応答はとても白熱した時間となりました。

開催概要

日 時 2014年 3月19日(水) 19:00~20:45 *受付:18:30~
表 題 オリンピックへの期待 ~社会のあり様とオリンピック、ビジネスとオリンピック~
講 師 種子田 穣 氏(立命館大学スポーツ健康科学部教授)
場 所 大阪産業創造館 ・大阪市中央区本町1-4-5 *アクセス詳細へ

講師紹介

・種子田 穣 氏
立命館大学スポーツ健康科学部教授

・プロフィール
1959年生まれ。6年間、会計事務所働いたのち1993年より立命館大学の経営学部にて教職に就く。それからは立命館大学経営戦略研究センター長、経営学部副学部長、立命館大学学生部長を歴任し、2010年より同大学に新設されたスポーツ健康学部の教授とし現在も学生の指導にあたる。また、大学以外の社会的活動にも積極的に参加し、現在、日本スポーツマネジメント学会参与とUnited Sports Foundation評議員など数多くの役職を担う。
所属学会:スポーツ産業学会、日本流通学会、日本スポーツマネジメント学会、日本体育学会

・研究テーマ
プロスポーツについての事例研究/国際管理会計。
[概要] ケーススタディを中心とするスポーツビジネス研究 スポーツビジネスの4つの領域であるフィットネスサービス、ブランドビジネス、プロスポーツ、イベントビジネスを経営学の視点から研究する。

・著書
ベイシック会社経理入門(第3版) 種子田穣・金森絵里 中央経済社  2008/09
アメリカンスポーツビジネス─NFLの経営学─ 角川学芸出版  2008/03
ベイシック会社経理入門(第2版) 種子田穣・金森絵里 中央経済社  2005/10
史上最も成功したスポーツビジネス 種子田穣 毎日新聞社 2002/8